しとわ

 死とは?死と和、私と和。

 死の対義語として生があり、私の対義語として和がある。生が私を生み死が和をもたらす。

 人が自己という物を持った時に「し」という概念が生まれ、和を失い始める。私が強くなればなるほど生に執着が生まれ和から離れる。死を忌むほど生は希薄となり私が和を剋す。

 死は和への回帰であり、生は和からの別離である。生は私への回帰であり、死は私からの別離である。この対立する私と和の対立が無くなった時、人は生と死の対立から自由になり生を謳歌できる。

 生と死の対立は摩擦を生じ、死に至るかもしれない。しかし対立の先にしか光輪は見えない。生まれたのだから。