先日、人は突然変異を繰り返し現在の状態になったと聞いた。確かにその通りだと思う。安定した状態から離れて新天地を求め突然変異の結果、適応すると生き残った結果。生物が安定した状態から最も離れた人間が最も進化したと言われる。そうすると最も病気になりやすい種と言える。
人間は欲も発達させた、その結果動物とは違うという幻想を抱く。三大欲求は食欲、性欲、睡眠欲、動物そのもの。その上で様々な欲を持つ。遺伝的に突然変異の繰り返しで不安定、その上欲の塊で欲に振り回され精神的に不安定。
只在るなど動物には当たり前の事が人には我慢できない。人間様は何かをしなければならない。只在り、食べ、眠り、子孫を残す。生命を維持する為に食べ、他の生命を維持する為に死ぬか、事故で死ぬか、老衰で死ぬか。そこに何の意味も無い。そんな動物としての生を拒否し必死に何かを求め、結局行っている事は動物と同じ事。大同小異、五十歩百歩。本気で動物でないと思うなら自分の意思で食欲、睡眠欲、性欲を絶つしか無い。
それをしなければ自分は只の動物、どんなに理想を振りかざしてもその他大勢、ゴキブリと大差は無い。
医学にしてもまだまだ発展途上、病気の原因を見つけて治療ができていないから、当たるも八卦当たらぬも八卦より確率が低い。偉そうに標準治療と言って100%治しているか?風邪さえ治せない、一時は克服した結核もまた出てくる。
不安定な存在の人間に安定を失った結果の病気は標準装備。人間は動物みたいな子供から、社会性を持ちそのストレスでバランスを崩し、動物でしか無いと気づくか、気付かずに自分は特別だと思って病の苦しみの内に死んで行くか。人にとって大事な社会の中での地位、誰かの子供であり、血族の一員であり、地域の中で役割をもち、職業人であり、趣味人であり、組織の一員であるかもしれない。多くの場合、人はそれぞれの場所で望まれる人物像があると思いそれを演じようとしそれができない事に苦しむ。それぞれの立場での矛盾に悩む。人が多くの立場を求められるほど苦しみは増す。
そして社会の一員としての振る舞いを捨てると経済的に立ち行かなくなる。不安定で不完全な人間同士がお互いに完全を求め合う歪んだ状態。神の振る舞いを求め求められる、自分は神だと思いたいのに身体も心も悲鳴をあげる。生物学的に社会的に歪み、狂気を孕まなければ生きられない時代。
狂気の行き着く先、只の動物である人間が自然を支配できると錯誤した時代、人が作った物が人を支配する時代、人が作った物に人が滅ぼされる時代。人が動物に戻る時代は来るのだろうか?
その時に人の病は癒えるであろう。人としての自我から解放された時に解放が起こる、つくづく矛盾を孕んだ奇形だこと。