食べ物とは?

 人に取って食物とは何か?人は命ある物を食べる事で生きている。人生とは他の生命を奪う事である。何と罪深い事であろうか。原罪説ではそうなる。

 人が植物や動物の命を奪う事で良い事があるだろうか?

 人も含めて生物の目的は種を後世に残す事である。もし命を頂く事の感謝に出来る事があるとすればその種を残す事である。

 今我が家には柿がたわわに実っている。種無しではない柿である。その柿の実を食べる事は木の命を奪う事ではないが、柿の木が一年をかけて実らせた実を頂く事になる。ならば果実を頂き種を蒔く事が感謝になるのではないか?

 昨今食べやすいなど言い種のない果物が持て囃されるが、その様な果樹の無念さを慮る事が出来るであろうか?只々人の身勝手さに生きさせられる命を。

 果樹だけに限らない、その他多くの一代限りに品種改良されてしまった野菜の無念さがわかるであろうか?

 人が収穫しその全てを食べるのではなく一部を残し次の世代が残る様にしていく。その中で種に対する感謝が生まれ大事に育てる。

 採集民族であれば種を違う場所に移動させる事が植物に対する行いであろう。

 その様な中で土地が自分の物であるかどうか?土地が個人の物である国の物である。その双方とも間違えである。人は土地を作り出す事が出来ない。その場所にいてその環境の循環を廻す役割を担う事が人の役割である。土地も植物も動物も人の物では無い、人も含めて誰の物でもない。

 生態系を豊かにする事、ただその点に於いて人は命を頂く事に対する恩返しが出来るのである。

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